お洗濯不可となっている表示の衣類を購入して、「洗えない」となったことはありませんか?
衣類に付いている取扱表示について紹介します。
衣類は着れば必ず汚れます。衣類を買うときに「洗う」ことまで考えると、お気に入りの衣類を気持ちよく長く楽しむことができます。
最近のファッションは、複数の素材を組み合わせたものや新しい素材を使ったものがたくさん出てきています。
ファッションを長く楽しむため、衣類を選ぶときに次の点もあわせて確認することをお奨めします。
・縫付けラベルや下げ札に明記されている素材(組成表示)、お手入れ方法(取扱表示)や表示者などを確認すること
・販売員にもお手入れ方法について確認すること
ここでは日本で販売されている衣類に付いている取扱表示(JIS表示)を紹介します。
取扱表示は衣類の取扱いに関する情報を伝える記号で、衣類に必ず表示されています。
家庭洗濯における洗濯、漂白、乾燥、アイロンの方法に加え、商業クリーニングの方法がひと目で理解できるよう図柄で表示されています。
なお、日本の取扱表示は国際規格ISO3758に整合化したJIS L 0001が2014年に制定、2016年12月1日に適用されるようになりました。
〈JIS L 0001の改正について〉
国際規格ISO3758が2023年12月に改正されたことを受けて、2024年8月20日には従来のJIS L 0001(JIS L 0001:2014)が改正され、新たにJIS L 0001:2024の表示を付けられた衣類が流通するようになりました。
JIS L 0001:2024の主な改正点は下記のとおりとなります。
・洗濯処理記号に「液温30℃での手洗い記号」が追加
・アイロン仕上げ処理記号に「低温スチームなし」が追加
・アイロン仕上げ処理記号の処理温度の変更
・記号デザインの微修正
・ドライクリーニング処理記号に溶剤が追加
ただし、1年間の経過措置期間があることから、2025年8月19日までJIS L 0001:2014の表示の衣類も販売することができ、当面の間、衣類販売の店頭においてはJIS L 0001:2024とJIS L 0001:2014の表示が付いた製品が混在することになります。
また、古着等では2016年12月より前に製造された旧JIS(JIS L 0217)の表示のついた衣類も流通しています。
政府広報オンライン「衣替えの季節です。あなたは正しく洗濯していますか?」消費者庁「新しい洗濯表示」特設ページ
消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」
組成表示は、衣類などの素材の種類とその割合を示したもので、衣類に縫付けられたラベルに必ず表示されています。
ただ、衣類に使われる素材は、綿、毛、レーヨン、ポリエステルといった繊維の他に、合成皮革、人工皮革、毛皮や皮革などがあります。これらの素材は、縫付けラベルに表示されている場合もありますが、下げ札(アテンションタグ)に明記されている場合もありますので確認しましょう。
ファッション性の高い衣類の場合は、素材の特性をよく理解してから購入されることをお奨めします。
素材のお話
表示者名は、購入した衣類の情報などを消費者が知りたい場合に、その製品に責任を持つ製造・販売業者などに連絡できるようにしたもので、会社名と住所、または会社名と電話番号が明記されています。