【2024年6月4日更新】
クリーニングニュース2024年5月号掲載の「衣料管理情報」で、取扱表示の記載内容に間違いがありました。
訂正してお詫び申し上げます。
本ページ内および「組合員専用ログインページ」にあるクリーニングニュース2024年5月号の情報(PDF)は、修正したものを掲載しております。
以上
(以下、修正後の本文です)
漂白剤を主成分にした洗浄剤による色の変化は昔からある事故ですが、近年はノロウイルスなどのウイルス対策として、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が推奨されていることから、脱色などのトラブルが懸念されます。
今回は、漂白剤を主成分にした洗浄剤による事故の典型例を紹介します。
監修/クリーニング綜合研究所
ズボンの裾部分に薬剤が付着したような状態で、脱色が生じている。
次亜塩素酸ナトリウムを主成分にした洗浄剤が付着したために脱色したもの。
原因が次亜塩素酸ナトリウムを主成分にした洗浄剤であることは、脱色部に残留した薬品を検出したり、主成分である次亜塩素酸ナトリウムを実際に付けて脱色を再現することで確認できる。
ただし、事故品が水洗いされている場合は、付着物が洗い流されているために薬剤が検出できないことが多い。仮に、薬剤を検出できたとしても、「いつ」「どこで」付着したものかを判断する方法はない。
漂白剤を主成分とした洗浄剤には、次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素を主成分にした液状のものと、過炭酸ナトリウムを主成分にした粉末状のものがあり、用途別に次のような各種商品が販売されている。
●洗たく用漂白剤
●台所用品用漂白剤
●洗たく機の洗たく槽洗浄剤
●台所、浴室、洗面所などの配水管洗浄剤
●カビを除去するための洗浄剤
●トイレ洗浄用洗浄剤
なお、「除菌」や「ウイルス除去」等を謳っている二酸化塩素にも漂白作用があることに注意したい。また、高濃度の次亜塩素酸ナトリウムには、セルロース系繊維を脆化させる作用があることにも注意が必要。
洗浄剤を付着させないことが基本となるが、誰が、いつ洗浄剤を付着させたのかが問題となることから、クリーニングの工程での付着でないことを証明するためには、作業場内に漂白剤や漂白剤が主成分となる洗浄剤は持ちこまないなどの対策も考えられる。
また、利用者には身近にある各種の洗浄剤が事故の原因になることや、付着しても気づかずに、クリーニングを機に顕在化する場合があること、洗浄剤が付着した時はすぐに水で洗い流すことなどを日頃から周知することも有効な対策と思われる。
洗浄剤は、水によるシミ抜きまたは水洗処理で除去する。付着部分が特定できればシミ抜きで対応できるが、特定できなければ全体を水洗処理することになる。
シミ抜きや水洗処理を行う時は、それに伴って生じる可能性のある様々な変化について利用者の了解を得ることが必要。