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衣料管理情報(クリーニング注意情報)
「パーツごとに状態が異なるムートン」

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ムートンや天然皮革はファッション素材として定番になっていますが、その特性については十分に理解されていない部分もあるようです。
今回は、動物から剥いだ皮を利用するムートンや皮革製品にみられる特有の変化について紹介します。

監修/クリーニング綜合研究所

ムートンのコート

衣類の状態

クリーニング後、左右の袖の風合いが違うとの申し出があったもの。その他、前後身頃など、各所のパーツでも縫い目を境に毛並みや風合いが異なった状態になっている。

左右の袖の風合いが異なっている
縫い合わせ部分の上下で毛並みの状態が異なっている

原因

動物の皮を剥いで加工するムートンは、工業製品のように毛並みの状態などが均一でないために生じる現象。天然毛皮では、こうした特性が十分に理解されていないためクリーニングで顕在化した変化がトラブルになる。

 

事故の防止対策

ムートン毛皮の特性であるため、抜本的な解決方法はない。
ムートン製品をクリーニングで受ける際には入念なチェックを行い、クリーニングによってパーツごとの状態の変化が明瞭になる可能性があることを利用者に伝え、了承を得た上で処理すること。

 

ムートンや天然皮革の主なチェック事項と
利用者への伝達事項

  • ムートンや天然皮革製品は、個体や裁断する部位の異なるパーツを集めて一着の縫製品とするため、縫い目を境にして色や毛並み、風合いに違いが生じることがある
  • スエードやムートンなどの場合には、縫い目を境にして毛羽などの状態に違いが生じることがある
  • 特に皮革の場合は、毛で隠されていた生体時の血管の痕や皮膚病、ケガの痕、ダニに刺された痕などがクリーニングで明瞭になることがある
  • 著しい汚れや固着した汚れ、シミやカビなどは除去できないことがある
  • クリーニング前には目立たなかったシミや目に見えないシミなどがクリーニングをすることで浮き出てくることがある

その他天然皮革の注意点

汗による事故としては、変色やシミの他に、紫外線との複合作用による変色、着用摩擦などを受けやすい部分に生じる毛羽立ちや毛製品のフェルト化、絹製品に生じやすい黄変と脆化などがある。

 

 
衣料管理情報「パーツごとに状態が異なるムートン」
 
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