ポリエステル製品のプリーツや凹凸などの加工には、熱可塑性が利用されています。
今回は、乾燥や仕上げなどでプリーツが緩くなった事例を紹介します。
監修/クリーニング綜合研究所
スカートのプリーツが部分的に緩くなっている。
取扱表示ではドライクリーニングや水洗いでのタンブル乾燥、アイロンが禁止となっているが、実際にはタンブル乾燥やスチーム仕上げを行ったため、熱の影響でプリーツが消失したもの。
取扱表示を確認し、プリーツが消失しないように適切な処理を行うこと。
汗には環境気温が高い時に出る体温調整のための温熱性発汗と、精神緊張時に手のひら・足裏などに生じる精神性発汗の2種類がある。
汗の成分は発汗の部位や個人差などにより異なるが、水分が98%以上で塩化ナトリウム、尿素のほか尿酸、乳酸、アミノ酸などの有機酸やアンモニア、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含んでいる。
これら、汗に含まれる主要な成分は水溶性であるため、付着後、早い段階で水洗処理などを行うことによって除去することができる。
3㎏/㎠の蒸気圧(約120℃)で30分間蒸熱処理し、プリーツを固定したポリエステルの生地をタンブル乾燥する実験では、70℃・20分間の条件でプリーツが開き、保持性が低下し始める結果が報告されている。
また、同じタンブラー乾燥機を使いタンブル内の温度とタンブル内胴の表面温度を測定した結果では、タンブル内の温度が60~62℃のとき内胴表面温度は72~85℃になることが確認されている。
熱可塑性を持つ素材のプリーツ製品をタンブル乾燥する際には、高温度に加熱されるタンブル内胴との接触にも考慮した温度の管理と取扱いが必要となる。
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