全ク連の「クリーニング師資格のあり方に関する調査検討委員会」(相澤好治委員長/北里大学名誉教授)では、令和元年度よりクリーニング師資格に関する様々な課題について協議を行っており、今般令和2年度事業の報告書が完成しました。
令和元年度にクリーニング団体を通じて従事クリーニング師に行ったアンケート調査では、「クリーニング師試験は全国統一にした方が良い」が63.5%で約3分の2を占める結果となっており、国家資格としてその取得に必要な知識・技能、さらには合格基準等に格差が生じるべきではないとの意見が挙げられています。
これを受け、令和2年度はクリーニング師試験を担当する47都道府県の衛生主管部局にアンケートを実施し、都道府県ごとに行われているクリーニング師試験の試験問題作成や技能試験の実施状況、その他運営方法等に関する実態を把握するための調査を行いました。なお、クリーニング師試験の全国統一化については、「賛成」が89.4%という結果となり、前述の従事クリーニング師への調査結果と同じように全国統一化を望む意見が大多数であることが明らかとなりました。
報告書では「クリーニング師の責務・役割の明確化」および「クリーニング師試験の全国統一化」にむけた令和2年度の提言を行っています。また、技能試験の全国統一化にむけた案として、入手が容易であることや技能試験を実施する会場の制約を受けないよう、家庭用アイロンを用いたワイシャツ仕上げ試験の方法を提案しています。加えて、合否判定を商品価値としての仕上りの良し悪しではなく「正しい手順でアイロン操作ができているか」とすることで審査方法を標準化することを提案し、教材として作成した動画をDVDにして巻末付録にしました。
なお、報告書は都道府県衛生主管部局および同委員会への協力団体、クリーニング組合に送付しているほか、全ク連ホームページで閲覧が可能となっています。同委員会は令和3年度も継続して協議を行い、クリーニング師資格のあるべき姿の早期実現にむけて必要な改革を図っていく予定としています。
■巻末付録 DVD「ワイシャツ アイロン仕上げの基本手順」
技能試験の全国統一化にむけた案として、家庭用アイロンを用いたワイシャツ仕上げ試験の方法を提案し、動画をDVDにして巻末付録としている
巻末付録 DVD「ワイシャツ アイロン仕上げの基本手順」(約20分)