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衣料管理情報(クリーニング注意情報)「スリット糸(ラメ糸)の光沢の消失」

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装飾用素材として用いられるスリット糸(ラメ糸)には、アルミニウムが使用されています。今回は、アルミニウムの変化によりスリット糸の金属光沢が消失した事例を紹介します。

監修/クリーニング綜合研究所

全体にスリット糸を編み込んだカーディガン

 

衣類の状態

カーディガンの衿や後身頃などが白く脱色したような状態になっている。

衿や後身頃などが白く脱色したようになっている

原因

空気中の水分や燃料が燃焼する際に発生する酸化窒素ガスなどが作用することにより、スリット糸に蒸着していたアルミニウムが変化して消失したもの。

事故の防止対策

湿気の多い場所での保管や、燃焼により発生する酸化窒素ガスとの接触を避けるなどの注意が必要。ただし、日常生活を送る上で、空気中の水分や酸化窒素ガスなどの作用を完全に排除することは困難なため、抜本的な防止策はない。

スリット糸

スリット糸はポリエステルやナイロンのフィルムにアルミニウムを蒸着させ、細い糸状にしたもので、ラメ糸ともいう。
カクテルドレスやイブニングドレスなどの他、セーター、ブラウス、ジャケットなど一般的な衣料品の装飾素材として幅広く用いられている。

顕微鏡写真
事故部の金属光沢がなくなったスリット糸

ワンプライとツープライ

スリット糸には、ワンプライとツープライの2種類がある。ワンプライはフィルムに蒸着したアルミニウムを樹脂でコーティングした構造、ツープライは、フィルムに蒸着したアルミニウムをもう1枚のフィルムで挟み込んだ構造になっている。
構造上、ツープライの方がワンプライよりも水分や酸化窒素ガスの影響を受けにくい。

スリット糸の構造

スリット糸使用製品の取扱い注意事項

スリット糸にはアルミニウムが使用されていることから、次のような注意を要する。

■品名…婦人カーディガン
■素材…ポリエステル85%、ナイロン15%
 全体にスリット糸を編み込んでいる
■ 処理方法… 石油系溶剤によるドライクリーニング、タンブル乾燥
■取扱い絵表示…
衣料管理情報「スリット糸(ラメ糸)の光沢の消失」
 
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