ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者が全国的に急増しております。厚生労働省によると、同時期としては平成18年に次いで過去10年間で第2位の水準となっており、このため、同省ではノロウイルスによる食中毒や感染の防止対策について一層の啓発や指導を行うこととし、注意喚起のためのリーフレットを作成して、11月27日付で都道府県等に周知しています(厚生労働省ホームページより)。
当連合会にもノロウイルス感染予防対策の方法について問い合わせが寄せられており、ノロウイルスの付着した衣類やリネン等の処理方法等について、全ク連情報第942号(平成19年1月16日発行)を抜粋・再掲するので参考にしてください。
ノロウイルスによる食中毒および感染症の報告が全国的に広がっているなか、クリーニング業者から「食べ物を吐いた毛布を顧客が持ってきた時、どのように対応したらよいのか?」「断った方がよいのか?」などの質問が、全ク連にも相次いでおります。
品物にウイルスが付着しているかどうか、正確には判断できませんが、汚染された衣類を他のものと一緒に洗わないようにしてください。なにより自身やお店が汚染されないように注意する必要があります。
ノロウイルスに関しては、厚生労働省のホームページにて一般向けに「ノロウイルスに関するQ&A」を公開しています。
「ノロウイルスに関するQ&A」(厚生労働省)
この中のQ20にノロウイルスの患者の吐ぶつやふん便が布団、リネンに付着した場合の処理の方法が掲載されています。
ただし、この処理方法は、汚染部分を水で十分に下洗いした後、高温の熱水(85℃)または次亜塩素酸ナトリウムで処理する方法なので、色物や熱水に耐えられない衣類には適しておりません。
<Q20> 吐ぶつやふん便が布団などのリネン類に付着した場合はどのように処理すればよいですか? |
リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。 下洗いしたリネンの消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯ができない場合、次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。 (抜粋) |
また、当連合会の「クリーニングと公衆衛生に関する研究委員会」の委員からは、感染予防対策として次のような指導がありました。
1.自身がノロウイルスに感染されないよう節制すること。
2.従業員が感染しないよう、外からウイルスを持ち込まないよう頻繁に手洗いを励行する。
3.トイレのドアや洗面台、店のドアの部分など特に消毒回数を増やす。
4.体内の外ではウイルスは増殖できないので、消毒の効果は高い。
5.消毒には家庭用の塩素系漂白剤でも効果はあるが、アルコール消毒は効果がない。
6.手洗いや、消毒には次亜塩素酸ナトリウム(原液12%の場合)を水で50〜100倍程度に希釈して使用する。
※一度に大量に希釈液を作らず、一日使用分ずつ作ること。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤なので、カウンターなど消毒した場合、水で十分に拭き取る必要がある。
以上が予防法となります。ノロウイルス以外にインフルエンザについても定点あたりの報告数が流行開始の1.00を上回り、流行シーズン入りしたことが12月21日付で厚生労働省より発表がありました。厚生労働省ホームページには「インフルエンザQ&A」についても掲載されているのでご確認ください。
また、全ク連の斡旋品では「クリーニング所の新型インフルエンザ対策について」の冊子を販売しております。あわせてご活用ください。
「インフルエンザQ&A」(厚生労働省)
平成24年度今冬のインフルエンザ総合対策について(厚生労働省)
斡旋品の紹介ページ(組合員向け情報)