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衣料管理情報(クリーニング注意情報)「天然皮革に特有のシワ」

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天然皮革の婦人ジャケット

天然皮革は秋冬のファッション素材として定番になっていますが、その特性などについては十分に理解されていない部分もあるようです。
今回は、動物から剥いだ皮を利用する皮革製品に特有のシワについて紹介します。
監修/クリーニング綜合研究所

衣類の状態

クリーニング前にはなかったシワが、主に左右の前身頃に生じていたというもの。
同様のシワは、各所にランダムに生じている。

斜めに入ったシワのようなものが各所に確認できる

原因

クリーニングしたことで、生体時の皮膚のシワや組織のムラなどが目立つようになったことによるもの。
このような現象は、動物の皮を剥いで加工する天然
皮革で特有に生じるものであるが、こうした特性が十分に理解されていないため、クリーニングの後でトラブルになることがある。

事故の防止対策

天然皮革の特性であるため、抜本的な解決策はない。
天然皮革製品をクリーニングで受け付ける際には入念な
チェックを行い、生体時に受けたキズや皮膚のシワ、組織のム
ラなどがクリーニングすることにより明瞭になる可能性がある
ことを利用者に伝え、了承を得た上で処理すること。

受付での主なチェック項目と利用者への伝達事項
  • 天然皮革製品は、個体や裁断する部位の異なる皮革を集めて1着の縫製品とするため、縫い目を境にして色や風合いに違いが生じることがある
  • スエードの場合には、縫い目を境にして毛羽の状態に違いが生じることがある
  • 生体時の血管の跡や皮膚病、けがの跡、ダニに刺された跡などがクリーニングで明瞭になることがある
  • 著しい汚れや固着した汚れ、シミやカビなどは除去できないことがある
  • クリーニング前には目立たなかったシミや目に見えないシミなどがクリーニングすることで浮き出てくることがある

皮革と布帛を組み合わせた衣料品のクリーニング

天然皮革と布帛ではクリーニングでの取扱い方法が異なるこ
とから、ウィンドブレーカーなどに代表されるような皮革と布
帛を組み合わせた衣料品は一旦全体を解体して、皮革と布帛を
切り離して別々に処理することが理想。
それができない場合には、皮革と布帛の構成割合に応じてど
ちらかを主体にしたクリーニングを行うことになるが、利用者
にはあらかじめ皮革と布帛の両方を満足させるようなクリーニ
ングはできないことを了解してもらうことが必要。

■品名…ジャケット
■素材…天然皮革(羊革)
■取扱い表示……なし
■処理方法…石油系溶剤による皮革クリーニング・洗い3分、皮革用プレス仕上げ

衣料管理情報「天然皮革に特有のシワ」

 

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