中央青年部会(小黒一也部会長)の需要開発研究委員会(田村直仁委員長)が企画し、全国の青年部員が中心となり調査を行っております「クリーニングサービスに関する利用者意識調査」の報告書がまとまりました。
平成26年度の調査「衣類の保管と衣替え」では、セーター・カーディガンは保有率98%であり、クリーニングと家庭洗濯を行う割合が半々でほぼ同じという結果が出ました。また、過去の調査ではセーター・カーディガンは「家庭洗濯による失敗経験」が多いことから、クリーニング店からの提案によって今後更なるクリーニング需要が見込めるアイテムであると考え、調査を実施したものです。
調査結果では、家庭洗濯で約7割が「伸びた・縮んだ」経験があること、家庭洗濯を行う場合は圧倒的に「洗濯ラベル」を情報源にしていますが、年代別の傾向として34歳以下の若年層は「あまり考えずに洗ってしまう」や「インターネットを情報源にしている」という割合が高いこと、セーター・カーディガンをクリーニングに出す理由として、男女とも若い年代ほど「清潔になるから」が高く、女性は着心地にこだわりがあること等が明らかになりました。この結果を受け、提言では利用者がクリーニングに望むことに的確に対応するための販促のアプローチ方法等について提案しております。
なお、巻末資料として家庭用洗濯機の実態や防虫剤の基礎知識をまとめ、クリーニング店からの情報発信や家庭洗濯の現状把握に役立つ情報を掲載しています。
報告書は組合および青年部、関連団体、全国の消費生活センターに送付しました。結果の詳細は報告書をご確認ください。
クリーニング店だからこそ、衣類ケアのプロだからこそ、できる洗いと仕上げ(技術)があることについて積極的に胸を張ってお客様にアピールすることが重要です。セーター・カーディガンに関する家庭洗濯との仕上がりの差としてターゲット別に「ふっくら、きれいに、ちぢみなく」をキーワードに図解しております。
ウエットやシミ抜き、防虫加工等、クリーニング店がもつ多彩なアイテムをクリーニング事業者がきちんと整理・理解し、お客様の要望に適切なサービスの提案ができることが売上げアップにつながります。
その際、一口にメニュー化やサービスの提案といってもお店ごとに営業形態が異なるため、顧客層やニーズに合わせて最適な方法を選ぶことが重要となります。
衣類をメンテナンスするプロとして、世の中にあふれる利用者の悩みや誤解を解消していくことが大切です。現状ではセーター・カーディガンは家庭洗濯が行われる機会が多いアイテムであることをふまえ、クリーニングに関することだけでなく家庭洗濯や保管に関する正しい情報発信を利用者に積極的に行うことが、クリーニング店の信頼を高めます。
本報告では例として、家庭用洗濯機のドライコースや家庭用洗濯、防虫剤の使い方を含む衣類の保管方法等を挙げております。