お知らせ

クリーンライフビジョン21スペシャルセミナーセッションin大阪を開催

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長期間放置品/ウエット表示/土壌汚染対策
参加者多数で業界での関心の高さを示す

小池会長は挨拶で、今後も全ク連と全協が協力してクリーニング業界について考えていくと述べた

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会は、2月16日(金)にホテルグランヴィア大阪(大阪市北区)で「クリーンライフビジョン21 スペシャルセミナーセッションin大阪」(以下、CLV21セミナーセッション)を開催しました。
長期間放置品、ウエット表示、土壌汚染対策をテーマとしたセミナーに合計186名が参加しました。
また、第1部・第2部を通して参加する聴講者も多く、関心の高さが伺えるイベントとなりました。

CLV21セミナーセッションは、長期間放置品とウエットクリーニング表示を取り上げる第1部と、土壌汚染対策を解説する第2部で開催しました。

今回のセミナーが業界の課題解決につながることに期待すると、挨拶を述べる厚労省・竹林課長
開会式では、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会・小池広昭会長が当連合会と全国クリーニング協議会(以下、全協)が協力して行う初めての催し物であることを紹介し、業界の重要な課題を学んでほしいと意気込みを述べました。
また、来賓の厚生労働省 医薬・生活衛生局 生活衛生課・竹林経治課長は、業界を取り巻く厳しい環境に加えて人手不足や生産性向上などの課題がある中で、セミナーを通じて解決につながる知見を習得してほしいと期待の言葉を述べました。
 

第1部 長期間放置品対策と需要喚起のためのウエット記号表示品の取り扱い

第1部では、クリーニングの仕上り予定日を過ぎても利用者が引取りに来ない「長期間放置品」と、平成28年12月に施行した取扱い表示(JIS L 0001)で設けられたウエットクリーニング記号の適切な取扱いについてのセミナーを行いました。

長期間放置品解消検討委員会が考える長期間放置品対策

長期間放置品について、全ク連が中心となり立ち上げているクリーニング長期間放置品解消検討委員会での協議の経過を全国クリーニング生活衛生同業組合連合会・半田裕施次長が紹介しました。

セミナーでは平成30年2月19日(月)の同委員会を前に、放置品の実態調査の結果や問題解決のための条件および考え方について、16日現在の状況や今後の予定を説明しました。

需要喚起のためのウエット記号表示品の取扱い

平成28年12月1日に施行した取扱い表示(JIS L 0001)で設けられたウエットクリーニング記号の適切な取扱いについて、クリーニング綜合研究所・小野雅啓所長が説明を行いました。

JIS L 0001におけるウエットの定義は「特殊な技術を用いた業者による繊維製品の水洗い処理」であることから、この表示の付いた衣類は新たなクリーニング需要につながる可能性があることを説明しました。

また、試験方法にある仕上げは個々のクリーニング師の技能に左右されないように人体プレス、パンツトッパー、ウールプレス機を基本として適宜アイロンを使用することやウエットクリーニングを行う上で参考値として示されているMA値の考え方を解説し、最後にウエットクリーニングの工程をまとめた映像で、洗浄から仕上げまでの要点を確認しました。

第2部 クリーニング工場用地の売却成立に必要な土壌対策
~環境保全全国大会in大阪~

第2部は、土壌汚染対策について土壌汚染対策法(以下、土対法)に基づく指定調査機関が2つのセミナーを行いました。

なお、第2部開始にあたり、CLV21セミナーセッション開催に協力団体として参画した全国クリーニング協議会・髙木健志会長から挨拶をいただきました。

髙木会長は、業界の課題について全国クリーニング生活衛生同業組合連合会・小池会長と共通の認識を有していることに触れ、需要喚起、人材確保、事業承継といった特に大きな課題のうち、承継にも係る土壌汚染対策について今回のセミナーを問題に向き合うきっかけとしてほしいと述べました。

クリーニング工場用地と土壌汚染対策

ランドソリューション株式会社・橋本正憲技術主幹が、土対法の趣旨を絡めながら調査・対策の流れなどを説明しました。

日本の環境法の多くは環境汚染等の未然防止を目的としている一方で、土対法は土壌汚染対策や国民の健康保護を主な目的とする対策法となっていることを紹介しました。

同法に指定される特定有害物質としてクリーニングで主に関係するのはテトラクロロエチレン(パークロロエチレン)で汚染原因では、ドライ機に溶剤を補給する際に注入口から漏洩するケースや配管が腐食して漏れるケースが多いと説明しました。

パークを使用している、あるいは過去に使用していた施設を廃止する際には引き続き住居として利用する、倉庫として利用するなどのただし書きの要件に当てはまらない限りは土壌調査を行わなければならず、調査で汚染が見つかった場合は対策を施す必要があります。
一般的には生物的分解(バイオ)や化学的分解、ガス吸引、掘削除去などで浄化対策を行っていることが紹介されました。

橋本氏は、施設の廃止時にはその後の使用目的を踏まえて調査を行うか否かを判断し、調査で汚染が見つかった場合は必ず浄化対策が必要であることについて理解を求めました。

クリーニング工場における土壌汚染対策の最新事例

株式会社アイ・エス・ソリューション・市川浩一課長が、クリーニング工場に焦点を当てて土壌汚染対策の事例などを紹介しました。

市川氏は、土壌汚染の解決には汚染源を浄化する必要があることや、パークは比重が水より重いため地下に沈んで地下水汚染を発生させやすいことを説明しました。

クリーニングにおける土壌汚染の問題点としては、家族経営の店が多く対策のための補助金制度がないために費用の捻出が難しいことが挙げられます。
加えてテナント入居の場合は浄化責任を負う土地所有者との間で補償問題が起こる可能性や、パーク汚染の誤った認識によりパーク未使用地でも土地売却が困難になるなどの問題もあります。

これらを踏まえ、アイ・エス・ソリューションで実際に行ってきた土壌汚染対策の事例を紹介し、汚染対策を成功させるためには、対策を行う目的(売買や居住などの使途)を明確にして目的に合せて最適な工法を選択し、調査・浄化後には対策に応じた土地利用を行うことが大切であることを説明しました。

なお、市川氏の講演ののちには、CLV21セミナーセッションを企画した日本クリーニング環境保全センターより、土壌汚染対策委員会・小野雅啓委員長が同委員会で作成した中小零細規模のクリーニング事業者にも対応できる指定調査機関のリストについて説明し、今後はクリーニング事業者への周知を図っていくことを紹介しました。

閉会の挨拶

全てのセミナーが終了後、日本クリーニング環境保全センター・久保章副理事長が挨拶に立ち、土壌汚染等の難しい課題がある中で、今回のセミナーを機に各課題が進展することに期待する言葉を述べました。

この機に業界の課題が解決に向けて進展するよう期待の言葉を述べる環境保全センター・久保副理事長

開催概要

日時

平成30年2月16日(金)

場所

ホテルグランヴィア大阪「名庭の間」(大阪府大阪市北区)

主催

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会

 
後援

厚生労働省、経済産業省、環境省

協力

全国クリーニング協議会

企画

日本クリーニング環境保全センター

参加人数

計186名(第1部81名、第2部105名)
※参加人数は累計とする