JIS改正の特徴を説明する鷲見氏
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はじめに、「JIS L 0217 取扱い絵表示の改正について」として、繊維評価技術協議会・鷲見繁樹参事が現行と改正後のJIS規格における変更点等について説明しました。今回の改正の特徴としては、適用範囲が家庭洗濯のみから商業洗濯も含まれるようになること、上限情報(絵表示の内容が取扱い操作で回復不可能な損傷を起こすことのない最も厳しい操作)を示すようになること、絵表示にウェットクリーニングが追加されること等が挙げられます。また、絞り記号の削除や絵表示がない場合はその記号に関するいかなる操作もできるようになるなど、改正にあたっての注意点が紹介されました。
アパレル業界におけるJIS改正への
対応を説明する神崎氏 |
続く「アパレルによる対応について」では、レナウンアパレル科学研究所・神崎晃統括担当部長がJIS整合化がアパレル業界に与える影響やその対応について説明しました。その中で、現在アパレル業界では一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会が事務局となり「取扱い絵表示のISO移行に関するガイドライン作成協議会」を発足し、統一ルールに則った教科書(ガイドライン)を作成していることと、その進捗状況が報告されました。
クリーニング綜合研究所からは、JIS改正に向け、
クリーニング業界が注意すべき点を説明した |
最後に、クリーニング綜合研究所・小野雅啓所長が「クリーニングでの留意点について」として、クリーニング業界が注意すべき点を解説しました。商業クリーニングやウェットクリーニングの絵表示の追加によりクリーニング方法の選択肢が増える一方で、クリーニング方法の指示やクリーニング操作の上限が今まで以上に明確になる分、適正なクリーニング方法を選択するというクリーニング業者の責任も増すことなどが説明されました。また整合化作業に当たり、全ク連では上記のJIS原案作成委員会およびガイドライン作成協議会の両委員会に参画し、クリーニング業界の意見や要望が反映されるように努めていることを報告した。その上で、このISOケアラベルは現在でも輸入製品などに付記されていることから、今の時点でその意味を理解し、来るべき改正に備えることが必要と説明した。
いずれの講演においても、2014年度の改正JIS適用に向けてクリーニングの現場で混乱が起こらないように参加者は熱心に耳を傾けていました。また質疑応答では、JISの改正について不安や疑問に感じている点が活発に質問されるなど、交流会は成功裏に終了しました。
当日の会場の様子
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