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衣料管理情報(クリーニング注意情報)「ドライクリーニングでの再汚染」

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ドライクリーニングでは、汚れの除去と併せて再汚染の防止が重要な要素になります。 今回は、再汚染の事例を紹介しながら、再汚染防止に必要な条件を考えます。

監修/クリーニング綜合研究所

衣類の状態

石油系ドライクリーニングを行ったところ、本来なら白いはずのスカート全体が薄汚れたような状態になった。

原因

ドライクリーニングで再汚染したもの。 顕微鏡による観察では、繊維間にカーボン状の粒子が付着しており、再汚染除去剤を使ってシミ抜き処理をすることで白さが回復することから、汚染していることが確認できる。
※再汚染除去剤…高級アルコール系洗剤60g、カルボキシメチルセルロース(CMC)23g、トリポリリン酸ナトリウム17gを適当量の水で混ぜ合わせ、ヨーグルト状にした調合剤

顕微鏡写真 顕微鏡でカーボン状の粒子の付着が確認できる

再汚染かどうかを確認する方法

再汚染除去剤でシミをもみほぐしながら、再汚染除去剤の中にカーボン状の粒子を取り込むようにして除去する。
再汚染除去剤は、再汚染を確認することを主な目的とした調合剤で、洗たく物全体の再汚染を除去する作業には適さない。

事故の防止対策

メーカー指定量のドライ洗剤をチャージした清浄な溶剤を使い、負荷量、洗浄時間、循環液量などを適正に管理すること。

溶剤管理

特に石油系ドライクリーニングでは、フィルター性能の低下や能力不足、吸着性のない油性汚れの存在などのため、溶剤中に汚れが蓄積することから、溶剤の酸価と着色状態、フィルター圧などをチェックしながら溶剤中への汚れの蓄積を抑制する必要がある。 酸価は、溶剤中に蓄積する油性汚れの目安、指標になるもので、0.3以下に管理する。
溶剤の着色状態は、透過率で測定することが望ましい。透過率は、新液の無色透明な状態の時に透過する光の量を100%とする値で、75%以上あることが望ましい。

負荷量

負荷量は、メーカーが指定するワッシャー標準負荷量の80%程度に調整することが望まし い。負荷量が多くなれば、溶剤中に出てくる洗たく物からの汚れの量も多くなるため、フィルターでの汚れの除去に時間を要することになる。

洗浄時間

一浴でのフィルター循環による洗いを基本とする石油系ドライクリーニングでは、汚れが フィルターで完全に除去された時点で洗浄を完了するのが理想であり、洗浄時間は、フィルターが汚れを除去するのに必要な時間を考慮して設定する。

循環液量

洗たく物からの汚れがフィルターで完全に除去されるまでの時間は、循環液量とフィルター性能で決まる。フィルターで汚れを十分に除去するには、1ワッシャーを洗う間に少なくともワッシャー内の溶剤量の7倍程度の液量を循環させることが必要とされている。またフィルター圧力の最高許容値は一般に0.2MPa(2㎏/cm2)とされている。

■品名…婦人スカート
■素材…綿55%、ポリエステル45%
■取扱い表示

 

 
■処理方法… 石油系溶剤によるドライクリーニング5~6分、タンブラー乾燥、ハンドアイロン仕上げ

衣料管理情報「ドライクリーニングでの再汚染」

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